さて、やっと本題の磨き方です。 大事な順に3つ。根幹はそれだけです。
1.歯ブラシが当たってない所は磨けない 2.磨きたい面に対して直角に毛が当たると汚れを取る能率が高い 3.細かく動かした方が狙いを定めやすい
どれも当たり前の話です。3は別項目ですが、1と2は関連項目です。 もうちょっと詳しく話しましょう。
1については話を展開しようが無いほどシンプルです。だけど、重要。 1を前提に2を行う。場合によっては2を犠牲にしてでも1の事を考えなきゃいけないほどに重要です。
考えてみて下さい。どこか平面をブラシでお掃除する時のこと。 例えば風呂の床をブラシで磨く時、ブラシの毛を磨く面と平行に当ててぬるぬると擦る人っていませんよね?全ての人が床面と垂直にブラシの毛を当ててシャカシャカ音を立てて磨きますよね? 皆さん、経験的にも直感的にも垂直に当てた方が汚れが落ちるって事をご存じのはずです。なのに何故、それを自分の歯に適用できないんでしょうか。
風呂の床は、割と単純な平面で、わずかに目地の部分がタイル面よりも凹んでいて、その脇に1ミリにも満たない高さの垂直な部分、タイルの側面がありますが、ま、大体、平面と捉えてブラシ掛けを行えばおおよそ綺麗になります。 しかし、歯はもっと複雑な形をしています。 磨いているのに磨けていない方のほとんどが、自分の歯をサイコロとか麻雀牌のような形まで単純化して捉えているようです。きっちり直角じゃないと汚れが落ちない訳じゃありませんので、効率を考えるとある程度単純化して磨かないといけませんけど、麻雀牌は単純にし過ぎ。せめて球体ぐらいに考えて頂かないと。
歯を球体と考えて、歯ブラシが当たる光景を想像して下さい。 本当に直角に当たるのはほんの一点で、その一点から遠ざかるにつれ毛の当たる角度は浅くなって行き、側面においては毛と完全に平行になります。 毛の当たる角度が何度ぐらいで磨けていないと言えるぐらい能率が低くなるのか知りませんけど、その磨けていない部分に対して歯ブラシが当たる角度を直角に近くなるよう努力すれば汚れが取れるって事ぐらいは分かります。 その磨けていない部分を可視化するのに必要なのが、歯垢染色液です。こいつを使った時に色が残っている場所が、歯ブラシの毛が直角にあたるよう角度を調整しなければいけない部分です。その他は今まで通りで構わない部分。
何度か普段通りに磨いた後に歯垢染色液を使ってみると、毎回同じような個所に色が残る事に気付くはずです。たぶん、歯の根元近く。または、脇から根元にかけての面。 どこに色が残るか覚えて、歯ブラシをどう当てたら色が落ちるのか分かったら、いちいち歯垢染色液を使う必要はありません。その後はたまに確認の意味で染めてみればいいだけです。
そうやって理屈に沿った形でやってみたけど、うーん、ここの所がどうしても磨き切れない・・・って事になったら僕がアドバイスするってのが理想形だと思っています。
(つづく)